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この時期の適応障害(メンタルヘルス)に注意

新年度がスタートし、新入社員を迎えた職場も多いかと思います。特に注意しておきたいのが、新入社員のメンタルケアです。

入社してからの3ヵ月間は、精神状態が不安定になりやすく、最悪の場合「適応障害」のような精神疾患につながる恐れもあります。今回は、適応障害に関連した内容をお話しします。

適応障害とは?

適応障害とは、ストレスによって気分の落ち込みや、意欲の低下が起こるストレス性障害です。個人的な不幸や、新しい環境に身を置くことで発生しやすくなります。そして医学的には、ストレスの元になっている部分が解消されれば、快方に向かうとも言われている障害です。

アメリカでの診断基準によれば、適応障害の症状は、ストレス因子の発生から3ヶ月以内に起こるとされています。そのため、4月に新入社員を迎えた場合は、7月までの3ヶ月がその目安になります。

適応障害は、気分の落ち込みや意欲の低下を発生させてしまうため、仕事のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。新入社員を迎える場合は、なるべくストレス因子が発生しないよう、職場全体で注意していく必要があります。

●症状1.気分の落ち込み

適応障害の代表的な症状は、気分の落ち込みです。具体的には、以下の状態が顕著になります。

・何をやっても楽しいと思えない

・ささいなことで感情的になってしまう

・何から何まで不安になってしまう

・目の前のことに集中できない

このような症状が継続する場合は、適応障害の可能性が考えられます。まずは気分の落ち込みの自己チェックを行い、適応障害の症状が出ているかどうか確認してみるのが良いかと考えられます。

また事業主や上司の視点で考えてみると、従業員のメンタル状況を可視化するのが重要です。ストレスチェックや面談を徹底し、従業員にそのような症状が現れていないかどうかを確認しましょう。

●症状2.身体に影響が出る

適応障害の症状としては、気分の落ち込みだけでなく、身体的なサインも現れます。身体に発生する症状としては、以下のものが挙げられます。

・寝付きが悪い、または睡眠中に何度も覚醒してしまう

・めまいや耳鳴り、胃のむかつきが発生している

・食欲不振など消化器症状が発生している

身体的な不調が継続する場合も、適応障害の可能性が考えられます。上記で紹介した症状以外にも、発熱がずっと続いてしまうなど、不調の方向性もさまざまです。こちらも気分の落ち込みと同様、しっかりと可視化し、適応障害かどうかを分析しましょう。

●症状3.ミスを繰り返してしまう

注意力が散漫になってしまい、ミスを繰り返してしまうのも適応障害の症状です。とくに「同じようなミスを繰り返している」場合は注意が必要でしょう。上記のケースでは、ミスをしてしまった原因を分析し、修正できるように努力するサイクルが機能していません。従業員自身の精神状態だけでなく、職場全体のパフォーマンスにも関わります。

ストレスを感じる環境は人によって異なる

適応障害を考えるうえで重要なのは、「人によってストレス因子が違う」という点です。たとえば多くの顧客と関わるような仕事を楽しめる人もいれば、それを苦痛に感じてしまう人もいます。一方、一日中続くデスクワークにストレスを感じてしまう場合もあるでしょう。

重要なのは、人によってストレス因子が異なり、「一概に環境が問題とは言えない」点です。適応障害は、あくまでもその人が「特定の環境に適応できていない」状態であり、そのストレス因子を分析できれば解決に近づきます。

適応障害の症状に苦しんでいる場合は、「自分がどのような時にストレスを感じるのか」を考え、なるべくストレス因子を取り除けるよう努力しましょう。従業員を抱えている場合は、その人のストレス因子を見極め、適応しやすい環境を用意するのが重要です。

また従業員自身の自己管理も必要になります。大学生から社会人へのステップは、大きな環境の変化であり、代表的なストレス因子です。この時期の適応障害が発生しやすいのは、このように環境の変化が著しいからに他なりません。

新入社員がうまく環境に適応するためには、もちろん会社のケアも重要ですが、従業員も自らのメンタルケアを怠らないようにしましょう。

最後に

「どのような環境にストレスを感じるか」は人によって異なります。同じ環境であっても、適応できる人とそうでない人がいるため、従業員一人ひとりに寄り添うケアが必要になります。

また適応障害を予防するためには、会社からの働きかけでなく、従業員自らのメンタルケアも必要になります。環境が変わりやすい季節には、十分に注意しましょう。

この記事を書いているのは・・・
八重樫 一行(やえがし かずゆき)/特定社会保険労務士
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