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そもそも年功序列とは?

年功序列とは

年功序列とは、社員の年齢や勤続年数を重視し、その年数に応じて組織内での役職や賃金を決定する人事制度のことです。年齢・勤続年数が長いほど組織内で評価され、職位・賃金が上昇します。

年功序列制度の根拠となっているのは、年齢・勤続年数が長い社員ほどスキル・知識が蓄積され、企業にとってより重要な存在になるから、という点です。

売上・利益を伸ばすには、優秀な人材が欠かせません。自社に長年勤務し、自社が属する業界に特化した知識やスキルを持つ社員は、自社に貢献できる能力もそれだけ高くなっていると予想できます。それに見合った職位と賃金を提供し、活躍してもらおうというのが、年功序列制度の目的です。

年功序列のメリット・デメリット

年功序列制度を採用するメリットの一つが、従業員に帰属意識を持たせることができる、という点です。帰属意識とは、自分が組織を形成する一員であるという強い意識を持つことで、会社への忠誠心とも言い変えることができます。

帰属意識が高くなれば離職率が低下するので、教育・研修にかけたコストを回収しやすくなり、企業の組織としての一体感も強まります。

また、人材の育成計画を立案しやすいという点もメリットです。年齢・勤続年数に合わせた役割や昇進を考えればよく、長期的な視野で社員を育てることができます。

一方、デメリットとして挙げられるのが、ものごとに対し、波風が立たないように対応すること。

勤続年数さえ伸びれば賃金アップを図れるので、各従業員は無理をせずに与えられた業務をコツコツとこなすことを重視しがちです。奇抜なアイデアやイノベーションに失敗を恐れずに取り組もうとする意欲を持ちにくく、組織の停滞を招く恐れがあります。

こうした組織では、向上心が強く、すぐにでも成果を出したいと考える若い世代が離れていくことが多いです。そうした人材は組織全体からみれば少数に過ぎませんが、有能であることが多いので、長い目でみると企業にとっては大きな損失と言えます。

また、社員の平均年齢が上がるほど、人件費が増大するという点も大きなデメリットです。年功序列制度のもとで高年齢の社員が増えると、どうしても賃金総額が増大化してしまいます。

年功序列を撤廃すると、年齢・勤続年数に関係なく役職・賃金が決定されます。つまり、20代、30代が管理職・高給取りとなり、40代、50代の薄給の部下を持つという状況が、企業内で生じる可能性があります。

最後に

年功序列制度には、メリット・デメリットがあるので、各企業は「自社にとって最も合理的な方法は何か」をじっくりと考え、自社に合った人事制度を採用することが大切です。

この記事を書いているのは・・・
八重樫 一行(やえがし かずゆき)/特定社会保険労務士
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